「内閣潰す」「支持率下げる」ー虚勢と傲慢受け継ぐ大メディア

自民党の高市早苗総裁の「囲み取材」を待っていた時事通信社が自民党本部内から中継した映像に「支持率下げてやる」といった音声が入っていた。同通信社はこの音声が自社のカメラマンのものと確認したと発表した。

筆者の体験では「ぶらさがり取材」などで政界大物らを待っている際に、記者やカメラマンがさまざまな暴言を吐くのを見聞きしてきた。もっとも記憶に残るのは「宮沢(喜一首相)ごときが俺らを待たせやがって」という入社数年目の某紙若手カメラマンの言葉だ。某社編集局長は1970年代半ばの社内向け編集週報に「われわれはその気になれば内閣の一つや二つはいつでも倒せる」と虚勢を張った。この上ない傲慢な言葉だ。

時事通信カメラマンが雑談で「支持率下げてやる」「支持率が下がるような写真しか出さねえぞ」と発言し、それが生中継で流れたと聞き、半世紀前の虚勢・傲慢体質がまだ残っているのを知った。

時事通信社は「雑談での発言とはいえ、報道の公正性、中立性に疑念を抱かせる結果を招いた」としてこの男性カメラマンに厳重注意したと発表したが、苦笑するしかない。消滅しつつある既成メディアの「報道の公正性、中立性」など信じる者は誰もいなくなった。