「安倍暗殺と脱亜入欧という呪縛」の削除部分を是正

12月31日掲載の上記論考の一部が削除されていました。

第三者のハッカー行為によるとしか考えられません。

とりあえず以下の個所を修復し、再掲載しました。

 

■安倍晋三の死とは何か

和田英が富岡で働き始めてからわずか32年後。「大国ロシアに勝利した」アジアの小国日本の名は西ヨーロッパの片隅にもとどろいた。「ドイツの庶民が日本の名を知ったのは日露戦争だった」。1980年、当時78歳のドイツ人男性が教えてくれた。二つの大戦を経験したドイツ庶民は根っからのロシア嫌いが圧倒的なだけに、第二次大戦の同盟国・日本には特別な感情を抱いていた。街を歩いていると「カイザー・イロヒトは偉大だ」と語り掛けてきて握手を求められたこともあった。安倍が一日本人現地滞在者としてこんな体験をすれば感激のあまり「天皇陛下万歳!大日本帝国万歳!」とその場で叫んだかもしれない。

あれから半世紀近く経た。世界中の第二次世界大戦の従軍者、戦渦にあい悲惨な体験を語れる市民はほぼ死に絶えた。日本の保守政治家でも田中角栄、後藤田正晴、野中務、そして宮沢喜一までが「戦争経験者のいない日本政界は危うい」と憂慮していた。それは米DS・グローバリストにとっても同様であったようだ。仮に安倍の殺害が山上徹也の単独犯行ではなく米軍特殊部隊や米工作機関などが組織的に何らかの関与をしたとすればその理由は何であろうか。

その答えはこうなろう。

「安倍は戦争体験もない軍事憧憬者。満州国運営の中枢を担い、戦時の東条内閣商工相を務めたA級戦犯容疑者の祖父らに感化され、対中侵略戦争、米軍の対日占領、東京裁判を否定する狂信的天皇崇拝者。しかも10年近く首相を務め日本を必要以上に右傾化し、岩盤保守層を大きく拡大させた。過剰な右傾化、復古主義にぶれすぎた日本を是正するためにも安倍は生かしておけない」。

「ネオコン、CSIS、CIAを動員して安倍を教育した。統一教会勝共連合、神社本庁、似非右翼日本会議、復古的国家主義者らを結集し安倍を神輿に担いだ。尖閣、台湾有事を煽り日本人の嫌中感情と中国脅威感を最高度に高め、日本に可能な限り軍拡させる。日本を事実上NATO加盟させ、自衛隊をグローバルな米軍補完部隊とし、インド・太平洋から、さらには中央アジア・イスラム圏からの対中封じ体制はほぼ達成した。」

「数ある安倍のための神輿組織のうち最も問題なのは『創生日本』だ。戦後の否定、復古主義、超国家主義を前面に押し出している。安倍は不審な死を遂げた中川昭一を継ぎ2008年に会長に就任した。その活動は、日本の伝統と文化を守り、疲弊した戦後システムを見直すとしている第2次安倍政権発足前の野党時代に行われた研修会では、「憲法改正誓いの儀式」と気勢を上げ、「自民党の憲法改正案には、国民主権の遵守、基本的人権の尊重、 と平和主義を唱えたが、これらはGHQによって押し付けられたものであり、戦後体制の本質そのものである。これらが取り除かれれば、真に独立した憲法にはならない」「2600年もの間、皇室を崇拝してきた日本だけが道徳的超大国を目指す資格がある」「日本にとって最も重要なのは、皇室と国体である」などと声を上げた。

「2014年に第2次安倍政権は閣議決定で、集団的自衛権の行使を容認して、現行の平和憲法を無視し、超越した。これで危険な安倍派(自民党清和会)の役割は終わりを告げた。あるグループは彼らを追い払う機会をうかがっていた」

■近代日本:30年毎に興亡

人生100年と言われる現代において、30年は決して長いものではない。1867年から2024年までの150年間で、明治維新、日露戦争と日本の五大国入り、対米敗戦、高度経済成長とバブル経済、失われた30年という5つの主要な出来事が、約30年ごとに起きた。なぜこんな有為転変が起こったのか。また「失われた30年」は「40年」と「50年」と続きその間に一人当たりGDPで上位にランクインしてきたシンガポール、韓国、香港、台湾などのアジア諸国・地域との差が広がり、日本あらゆる面で「アジアの盟主」である中国に遅れをとる可能性が高い。

「衰退する途上国」と揶揄される日本にとって、出口はあるのか?この150年を振り返ると、(1)幕末・明治維新から日露戦争までのイギリスへの依存、(2)日露戦争から日本が五大国入りしてから日本がアメリカに敗れるまでは、日本はアメリカとの摩擦を激化させて戦争を始めた。3)日本の敗戦後、日本民主化を試みたアメリカへの軍事的服従と、アメリカとの深刻な経済摩擦を経験した、4)失われた30年では、アメリカに日本の国富を奪われながらも、日本は軍事大国へと変貌し、自衛隊はアメリカ軍を補完する部隊となった。 この150年間、自滅に終わった対米戦争をめぐる出来事を除けば、日本は基本的に米英の支配下にあった。 したがって、言える最低限のことは、独立する唯一の方法は、米英アングロサクソンの世界戦略の駒であることを放棄し、 その支配から自由になることだ。 出口は見当たらない。だが、当然のことながら、永田町を含め暗闇の中で手探りを続ける日本人もいる。

その捜索の最中に、安倍が殺害された。永田町は激震し、1955年以来「米国と共にいた」与党自由民主党議員の心を凍らせた。彼らは事件の真相究明に動かず、完全に沈黙した。山上鉄也被告は安倍が旧統一教会と共謀したていたことに対する怒りから犯行に及んだとされたまま、裁判官、検察官、弁護士の法曹三者の心も凍りつかせた。事件から約3年が経った。にもかかわらず、初公判開催はサボタージュされている。

明らかに癒着が闇の間から垣間見えている。肉声での山上被告の主張、被告人本人の罪状認否や尋問すらなされない異常事態に対し、選挙での不利益を考えてか、安倍取り巻き議員ですら異議申し立ての声を出さない。それどころか自民党裏金疑惑で最大派閥安倍派(清和会)はあっさり解体、消滅した。安倍の死を巡る日本の司法、行政、立法、メディアの動揺は尋常ではない。それは巨大な闇に包まれ、山上抹殺により真相を「パンドラの箱」に封じ込めそうな予兆すら漂う。