笑い飛ばせぬ安倍謀殺説、検証は必須 安倍は踏み台から降り身伏せた?

安倍元首相銃撃事件を巡る不可解さ、矛盾点が際立っている。最大の問題は、搬送先の大学病院で安倍の体内から取り出されたはずの1発の銃弾が紛失状態になっていることだ。また銃撃された際の職務放棄したような微動だにしない警備担当警察官の態度、山上達也容疑者から発射された銃弾の方向と安倍の銃創部位との不一致など不可解さは枚挙に暇がない。中には山上徹也容疑者の背後にいる黒幕組織による犯行と断定する向きもある。諜報工作機関が実行したとみれば、一発で心臓を射抜いた射撃能力に合点がいくものの、犯行の動機には合点がいかない。日本経済の現状からすれば安倍が財界の要請を受けて実施した最低限の対中国「政冷経熱」路線はワシントンの許容範囲であろう。2020年習近平国賓招待計画が米権力中枢の逆鱗に触れたとしても、それがあれほど対米従順に徹し米国の不可欠な存在であった安倍の抹殺につながるとは思えない。山上容疑者と黒幕組織や統一教会内ゲバとの接点も見当たらない。ただし謀殺説は一笑に付せない。

警察庁は、安倍が2発被弾し、銃弾1発が体内を貫通していないことを確認している。警察は「貫通していない銃弾は取り出されたはずだが行方がわからない。事実確認中」と前代未聞の説明をした。その後も、どんな銃弾がどの方向から体内に入り、銃弾はどうなったかについて追加説明はない。体内に残った銃弾は大学病院での開胸手術中か、司法解剖の際に取り出されたはず。なのに開胸手術中に、あるいは事件現場での救命作業中に体外に出て所在不明になっただのおよそ説明にならないためにする情報が流布されている。いずれにせよ「銃弾の行方が分からない」とは悪い冗談か、何らかの悪意に基づく。日本の警察が、最も重要な証拠である銃弾を紛失することはない。隠匿しているとみるほかない。大学病院の救命担当医の説明と警察の司法解剖結果には決定的齟齬があるが、ここではあえて触れない。

銃弾紛失は警察官の隠匿行為ではない。日本の警察の指揮系統を超えた勢力が、安倍の体内から取り出した銃弾を隠さなければならないのは、銃弾が山上容疑者の銃から発射されたものとは異なるためであろう。警察に真相究明を放棄させる大きな力を持つのは一つの勢力しかあり得ない。

米国の工作機関は日本の警察を含む官庁、自衛隊、私企業あらゆるところに工作員を配置している。日本の大物政治家を狙うとすれば実行犯グループは日本人部隊である。彼らは警備、公安警察にも入り込めるだろう。7月8日の殺害現場では安倍を守ろうとするどころか明らかに銃撃にびくともせず突っ立っている男がおり、倒れ込む安倍に瞬時に駆け寄ろうとする者は誰一人いなかった。

【写真1】山上容疑者が2発目の発砲をした際の映像の一コマ。

安倍周辺の人物は爆発音に慄き、身を縮ませているが、一人だけ両手を重ね何事もないかのように背筋を伸ばし平然と立っている男がいる。写真左端の同じスーツ、同じ白ワイシャツをまとった男2人も落ち着いた様子で山上容疑者の方に向いている。1発目の発砲から3秒は経ているのに誰一人安倍の体を守るため飛び掛かったり、伏せるよう導く者もいない。安倍に当たった2発の銃弾は右前頸部から入ったとされるが、写真の右端にいる山上容疑者の銃からは狙撃不能。また一発で6個の銃弾が発射される山上容疑者の銃から本当に弾が発射されていれば周りの人が全員無事で安倍のみが被弾したとは考えられない。

 

安倍は自分で踏み台を降り、そのまま地面に倒れてはいない。身を伏せたように見える。踏み台に立った状態で心臓を射抜かれたのならその場で即座に倒れ込んでいたはずだ。被弾しながらも致命傷をまだ負ってなく身を伏せていたのではないか。その安倍に実行犯グループが取り囲み応急手当を装い消音銃で右頸部から2発弾を打ち込んだとの憶測がある。だがその憶測を裏図ける映像は見当たらない。安倍が踏み台から降り身を伏せるような姿の映像は確認できる。その後、仰向けになって心臓マッサージを受けるまでが空白となっており、この空白の時間の解明が是非とも必要だ。

 

【写真2】手当てを受けているように見える安倍の腕時計をした左手が上がっている。まだ心臓を射抜かれるなどの致命傷を負っていないように見える。ワイシャツについている血痕は大量出血によるものではないようだ。上記空白の時間を埋める映像がない。

一方、山上容疑者が旧統一教会の分派サンクチュアリ教会グループと関係を持ち、教会の内ゲバに加担したとの説も事件発生当初から流布されている。しかし、山上容疑者の膨大なツイッターでの発信記録には統一教会内部への関わりを示唆する証拠は見当たらない。事件はあくまで個人による政治テロとみるのが素直な見方に思える。サンクチュアリ教会も事件を受け、山上容疑者との関係を否定している。ならば銃撃を巡る数々の不可解さ、矛盾が示唆し、組織的犯行をにおわす状況証拠と山上容疑者の存在が結びつかなくなる。事件は不可解なまま幕引きされる可能性大である。

米国は9月27日の国葬にはハリス副大統領、オバマ元大統領を送ってくる。バイデン現大統領はオバマ政権(2009-2017)に副大統領として仕えた。オバマ、バイデンの両人は米権力中枢の安倍評価を誰よりも深く知っているはずだ。事件の真相についても同様であろう。<8月1日掲載記事「米政権の豹変と安倍国葬 『血を流せる国』にすると冷遇一転し絶賛」を参照されたい>