保守言論衰退の兆し?東アジア反日武装戦線に関する良識解説と櫻井よしこの大炎上

理髪店で順番待ちしていたら民放ラジオの番組で1974年に起きた三菱重工爆破をはじめ一連の企業爆破事件を実行した東アジア反日武装戦線が取り上げられていた。女性キャスターが、このテロ組織のいう「反日」とこの20年ほど右翼の使っている「反日」はまるで意味が違いますよね、と質問した。すると男性キャスターは、「反日武装戦線」のいう反日は先の戦争で東アジアを中心にアジア諸国に加害責任を負う日本を批判するもの、後者の反日は中国や韓国が日本を嫌悪し反発することに一部の日本人が反発して使いますよね。確かに違います、と答えた。この話題は、同武装戦線の元メンバーで連続企業爆破事件の容疑者として指名手配されていた桐島聡(70)とみられる人物が神奈川県の病院で死亡したことに絡んでのものだった。

続いて男性キャスターが語った。日本には台湾、沖縄、アイヌ、朝鮮など少数派を差別、虐待してきた歴史があります。第二次大戦後は東南アジアなどに経済進出しました。彼ら(テロリスト)の行為は決して容認できませんが、日本のアジアに対する歴史をより深く見る必要を訴えたのです。女性キャスターは「反日と名指しして近隣国への憎悪を煽るより、日本人として反省すべきは反省しなければ」との趣旨の発言をした。正直、驚いた。今時、日本でこんな良識的な番組があったことに…。

もう少し細かく言えば、テロリストの「反日」の「日」は天皇制国家や現代日本の支配権力を指す。中韓の「日」も同様である。1972年に田中角栄首相が訪中した際、中国の周恩来首相は「中国民衆だけでなく、日本の民衆もまた日本軍国主義の犠牲者です」と語っている。この言葉は日本人庶民として肝に銘ずべきものだ。対立しているのは中国と日本なのではない。日本の独占・寡占資本とそれと結託する日本の政治・軍事勢力が日本の庶民を動員し、中日両国の庶民を泥沼に追い込んだということだ。この当たり前の支配ー被支配の図式が中国の指導者にはしっかりと認識され、日本の一部にはまったく認識できていない政治家がいる。直近掲載の「近代日本第3期への視角2」で「少なくとも米国がこの10年ほど日本の行き過ぎた復古的国家主義の台頭と戦後日本の破壊を是正しようとしてきたのは確かである。」と書いた。超タカ派の米ネオコンですら終戦後の米国GHQの対日民主化政策を憎悪する日本の復古主義者における狂った英霊・皇室崇拝の高まりは許せなくなっていたのだ。

ところで、「あなたは祖国のために戦えますか」と上から目線で発言したジャーナリストの櫻井よしこ(78)が若者世代から「おまえが先頭を切って戦場に行け」「老人が若者を犠牲にするな」と批判され大炎上した。櫻井よしこが理事長を務める『国家基本問題研究所』が差別煽動行動で知られる『在特会』など日本の右翼をまとめ上げているとみられている。しかも、韓国版CIAであるKCIA(韓国中央情報部)から発展した組織・韓国国家情報院から援助されていると疑われている。

改憲だけでなく、「嫌韓」「反共」を掲げた安倍内閣を言論で支えてきた「論客」桜井よしこがKCIA、国家情報院とつながっていることと、安倍と統一教会・勝共連合とが一体であったことは一つに重なる。櫻井は東京中心部の有名神社の敷地内に地上二階地下一階床面積500平米の豪邸を構えて住んでいるという。彼女は2000年代に入ると、GHQによる神道指令は誤りだったとの論陣を張って、極端な国家主義や歴史修正主義を声高に叫び始めて際限なく主張を極右へとエスカレートさせていった。怒る関係者は「神社の敷地に家を建てたのは、その極端な右傾化のまっただなかのことだ。ここに何かしらの“縁”がなかったと、はたして言い切れるのだろうか。」と疑っている。

櫻井を筆頭に安倍政権を支えた日本会議の論客や保守論壇のリーダーたちに激しい逆風が吹き荒れる気配がしてきた。