南米がアメリカ合衆国の裏庭とされて久しい。そこでは絶えず反米政権が転覆されてきた。
アダム・H・ジョンソンはネットメディアtruthdig.comに2019年1月29日付で「ラテンアメリカで米国が支援したクーデターに関するニューヨークタイムズ紙の支持についての完全ガイド」とのタイトルの記事を掲載している。
冒頭で「CIAと共に歩むニューヨークタイムズ(NYT)」に触れ、「NYT紙は2019年1月25日付論説記事で、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を追放するトランプ政権の企てを称賛し、米国がラテンアメリカでの軍事クーデターを支持する伝統を維持した。CIAが70年以上前に創設されて以降、この記事は同紙が支持した10回目のクーデターとなる」と書いている。
さらに「ニューヨークタイムズ紙の資料調査によると、同紙の編集委員会はラテンアメリカで12回起きた米国支援のクーデターのうち10回のクーデターを支持してきた。1983年のグレナダ侵攻と2009年のホンジュラスクーデターに関する2つの論説は立場を曖昧するか、渋々反対している。以下はその一覧表である。
1954年 グアテマラクーデター 支持
1961年 キューバ ピッグス湾事件 支持
1964年 ブラジルクーデター 支持
1965年 ドミニカ共和国侵攻 支持
1973年 チリクーデター 支持
1976年 アルゼンチンクーデター 支持
1983年 グレナダ侵攻 反対/曖昧・矛盾
1989年 パナマ侵攻 支持
1994年 ハイチ侵攻 支持
2002年 ベネズエラクーデター未遂 支持
2009年 ホンジュラスクーデター(注:CIA関与の証拠なし) 曖昧
2019年 ベネズエラクーデター未遂 支持 」
そして「ニューヨークタイムズ紙のどの社説・論説記事も、いずれのクーデターに関しても、CIAをはじめとする諜報機関による米国の秘密工作については言及していない。(ドミニカ共和国、パナマ、グレナダのように)あからさまで、紛れもない米軍の侵攻がない限り、出来事はラテンアメリカ諸国で完全に独自に発生したように見える。皆無ではないものの、同紙が外国軍について言及するのはまれである。…米国や他の帝国主義国が内乱を誘発させ、どの紛争においても不正な方法で軍事政権に資金や武器を供給できたはずだという考えは決して受け入れられることはない。」と結んでいる。(太字強調は引用者)
またよく知られている1973年のチリの例についてはこう書いている。
「ニューヨークタイムズ紙が1973年にアジェンデ政権を暴力で打倒するのを支持した際に主張したように、アジェンデ大統領は『民衆の信任』なしに、『人々の間に広まった社会主義プログラムを推進するのに固執した』のか?同紙が主張したように、アジェンデは『議会と裁判所の双方を回避しようとすることを含め、うさんくさいやり方でこの目標を追求した』のか?もしそうであったとしても、言われているアジェンデの権威主義を理由に、CIAは彼を追放しようとしたのではない。CIAや米国の企業パートナーを怒らせたのは、再分配政策を追求するアジェンデのやり方ではなかった。怒りを買ったのは再分配政策そのものであった。‥‥
米国の行動が人権と民主主義によって動機づけられているという考えはニューヨークタイムズ紙の編集委員会によって当然のように受け取られている。それは創業以来一貫している。ほとんどの人が、自由主義者ですら、ラテンアメリカにおいて米国が行動する動機についてうすうす懐疑的となり、いよいよ米国が巧妙にごまかしていることに気づかないことはあり得なくなっている。ニューヨークタイムズ紙は2017年の社説で「最近の数十年」、「軍事行動に踏み切った米国の大統領は自由と民主主義を促進したいという欲求に駆り立てられていた。時として並外れた成果を上げた」と主張した。」(太字強調は引用者)
原題と記事のURLは以下の通り。
Your Complete Guide to the N.Y. Times’ Support of U.S.-Backed Coups in Latin America