日米同盟という虚構露わ:抗日・人民服の習近平と“米中同盟”語るトランプ

注:本論考は、現在非公開(冒頭のみ一部公開)で執筆中の歴史思想シリーズ 『会津藩士と辿る日本現近代160年』 における 最終章の前触れ にあたるものです。 シリーズ本編では、明治以降の日本国家の精神構造、 戦前・戦後を貫く家父長制、山県有朋軍制の影、 そして「日米同盟という虚構」の歴史的根源を体系的に論じます。 本稿はその結論部を時事的文脈に沿って公開したものです。

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ワシントン会談が暴いた戦後日本の構造的従属

2026年9月24日、米ワシントンで行われたトランプ米大統領と習近平国家主席の会談は、 単なる米中首脳外交ではなかった。 それは、戦後日本が七十年以上信じてきた「日米同盟」という言葉の中身を、 根底から揺さぶる歴史的事件である。

会談の冒頭、トランプはこう述べた。「第二次大戦で米中は同盟国だった。」

習近平は即座に応じた。「八十年前、中米は肩を並べ、日本軍国主義の侵略者に立ち向かった。」

この二つの発言が並んだ瞬間、 日本の安全保障の前提が音を立てて崩れ始めた。

しかも習近平は、抗日戦争期の中国共産党幹部を象徴する人民服をまとい、 ワシントンの晩餐会に姿を現した。 日本のメディアはこの象徴的行為を黙殺した。だが歴史を知る者なら、その意味は明白である。

習近平は「日本の新型軍国主義と闘う」という政治的メッセージを、 米国の首都で世界に向けて発したのである。

そしてトランプは、それを否定しなかった。 むしろ「米中は同盟国」と応じた。

ここに、戦後日本の“虚構の安全保障”が露わになる。

トランプの対日観は、一期政権時代から一貫している。 彼はホワイトハウスにキッシンジャーを頻繁に招き、「外交の師」と呼んだ。 そのキッシンジャーは1971年の隠密訪中で周恩来にこう語っている。

「全く信用できない日本を経済大国にしたのは失敗だった。日米安保条約は日本を封じ込める瓶の蓋だ。」「日本が大規模な再軍備に乗り出せば、中国とアメリカの伝統的な関係[第二次大戦時の同盟関係]が復活する。」

トランプの対日観は、この思想を忠実に継承している。 2024年の演説では「日本は中国と並ぶ米国のライバルだ」と明言した。 つまり、トランプにとって日本は「守るべき同盟国」ではなく、「封じ込めるべき潜在的脅威」である。

 

今回の「米中は同盟国」発言は、その延長線上にある。

トランプは2017年の初訪日で、米大統領として初めて横田基地に降り立った。 羽田ではなく、米軍基地である。 これは象徴的行為だった。

「日本は占領国であり、米軍基地は米国領である」という認識を、トランプは隠そうともしなかった。 バイデンも2022年に同じルートを踏襲した。

政権の違いではなく、米国の対日観の本質である。

日本の識者は「北朝鮮への牽制」と解説したが、これは詭弁にすぎない。 横田基地からの入国は、「日本は米国の軍事保護国である」という事実の再確認である。

今回の会談で習近平が着用した人民服は、1930〜40年代の中国共産党幹部の象徴である。 延安、八路軍、抗日戦争――日本軍国主義との戦いを象徴する衣装を、習近平はあえてワシントンで着た。

これは外交儀礼ではなく、政治的宣言である。 「日本の新型軍国主義と闘う」という意思表示である。 そしてトランプはそれを否定しなかった。

米中はこの瞬間、歴史的反日で一致した。

アングロサクソン世界の対日観は、十九世紀から一貫している。 英国はロシアの南進を阻止するため日本を利用し、米国は中国市場を支配するため日本を“駒”として扱った。 戦前の日本は米英金融資本と深く結びつき、天皇財閥と財閥は中国侵略で肥え太った。

戦後、米国は「日本を再び世界の脅威としない」ことを最優先した。 そのために日米安保、在日米軍、CIAと検察の監視、NATOへの組み込み、ファイブアイズへの“招待”という幻想を用いて、日本を縛り続けた。

英国が日本をNATOに引き入れたのも、「日本の右翼政権に軛をかけるため」である。 アングロサクソン同盟は日本を対等な仲間として扱っていない。 日本は“補完勢力”にすぎない。

 

ジョン・F・ダレスは講和条約締結後、こう述べている。

「日本人のアジア蔑視と白人への憧れを利用せよ。日本を永続的に西側陣営に従属させよ。」

これが日米安保の本質である。 日本の政界・官僚・財界は「日米同盟基軸」を信仰のように唱えるが、それは敗戦国の精神構造にすぎない。

今回の米中会談は、この虚構を暴いた。 トランプは日本を“ライバル”と呼び、習近平は日本を“軍国主義の敵”と呼び、両者は「米中は同盟国」と宣言した。

日米同盟は日本のためではなく、日本を封じ込めるために存在している。

戦前の七十七年(1868〜1945)と、戦後の七十七年(1945〜2022)。 この二つの時代が「イーブン」になった今、日本は近代第三期へ進むか否かを問われている。

今回の米中会談は、その号砲である。 日本は今こそ、対米従属の精神構造を脱し、アジアとともに第三期へ進むべきである