米中冷戦の本格化、安倍続投促す

安倍4選はあり得る。これは本ブログでも繰り返し述べてきた。自民党は総裁任期を一時的に撤廃してでも安倍氏を続投させかねない。

理由は米中関係である。厳密に言えば、米中冷戦を巡り日本を駒としてフルに活用するには安倍日本会議政権の継続が必要だからだ。誰が、どんなグループが必要としているかはあえて名指しするまでもない。

7月9日に以下のような見出しの記事がネットに掲載された。

「対中姿勢から見る『ポスト安倍』有力4候補 識者「4人は中国寄りである。国際的には通用しない」

最も安倍政権、日本会議寄りの新聞の傘下にあるニュースサイトである。安倍続投を必要としている国外グループの意図が浮き彫りになっている。

有力4候補が国際的に通用しないのだから、選択肢は「安倍続投」しかなくなる。記事に出てくる識者は「アベ友」と言える米国留学組の日本人国際政治学者だが、その意見はワシントンの代弁である。「国際的には」は「米国から見て」と言い換えできる。

反安倍政権系メディアは「腐敗せる政権の末路」を伝えようとして躍起になっている。親安倍政権系も今から続投報道では「ハラハラがなく」、「売れないし」、「つまらない」。

健康不安説とそれを「裏付ける」巣ごもりが取り沙汰されていたなか、8月に入ると「安倍首相、執務室で吐血」とのセンセーショナルな報道が飛び交った。菅官房長官は笑みを浮かべながら報道を否定した。

さて、5日付投稿記事「中国巡る対決と従属的連携 日米関係100年史」で筆者は次のように書いた。

「今回は米国に追従する形ではあるが、安倍日本会議政権は新たな「暴 支 膺 懲 (ぼうしようちょう=暴虐な中国を こ らしめる)」の役割を担っている。外交的にも、軍事的にも、日本が米国に隷属するなか、こと中国対抗に関して日本政府は自発的ですらある。このパトス=情念は戦前、ひいては明治維新時から引き継がれてきたものだ。日本会議を広告塔とするこのパトスこそが安倍政権の超長期政権化の原動力であり、米・NATOは他の政権へ置き換え難いのだ。

写真:戦中の「暴 支 膺 懲」報道繋がる安倍政権下で再燃する「暴支膺 懲」キャンペーン

 

先の見えない長丁場のコロナ対策に豪雨災害対応が重なり、首相に疲れが溜まっているのは確かであろう。臨時国会召集要求に直ちに応えることはせず、記者会見や夜の会合もできるだけ控え、健康維持を優先しているようだ。8月6日の被爆75周年を迎えた広島での平和記念式典であいさつした安倍氏の表情、挙動は重病説を打ち消すに足りた。

気になるのは、生気がいま一つ見られなかったことだ。安倍氏も65歳。何があってもおかしくない。「続投」は強いられている。本音では望んでいないだろう。一寸先は闇である。