「岸田首相はしっかり麻生副総裁と連携中」 本ブログの主張と一致する泉元前明石市長の見解

今年2月に岸田首相が自ら率いる派閥「宏池会」を解散した際、日本の全国紙政治部記者らはOBを含め異口同音に「派閥を維持すると明言しているのはいまや麻生派だけ。麻生太郎率いる派閥は主流派として政権を支えてきたはずが一転、少数派となって孤立してしまった」と解説した。「麻生太郎「岸田首相の裏切り」であっけない幕切れ」と麻生自民党副総裁の政治生命が終わったかの如く報道される中、本ブログは2月10日に「岸田と麻生の「決別」は茶番  米国の日本支配構造に眼を向けよ 」を掲載。「一連の既成メディアの政局報道には安倍派解体のための政治資金パーティ収支裏金疑惑摘発がヤマ場を迎えた1月9~13日になぜ麻生は訪米し、米政界要人と会談したのか、その真の目的が念頭に置かれていない。『岸田、麻生を裏切る』は岸田政権継続の日米合作シナリオに沿った茶番劇の一環」と断じた。

本ブログの主張を冷笑する向きもあった中、ようやく「国民を騙した“小泉劇場”を思い出す。岸田さん、本当は麻生さんと連携してないか?」【泉房穂の「ケンカは勝つ!」第31回】を見出した。「岸田、麻生は連携している」とみなければ事態の真相は読めない。泉元明石市長はほぼ的確にこう書いている。

「岸田首相はしばらく死んだふりをして、次の総選挙でなんとか現状を維持して麻生派に合流する。そうすれば、安倍派をしのぐ最大規模の派閥ができ上がる。すなわち「大宏池会」の復権が、岸田首相の最終的な狙いやないか。 それにしても、岸田首相がこんな絵図を一人で描けるもんやろうか。私には麻生さんとの連携があったと思えてしょうがない。 報道では、岸田首相は派閥の解散を麻生さんに相談しなかったとされている。それに麻生さんが怒っていると。 そもそも、海千山千の政治家が本当に怒っている顔を他人に見せるのか。マスコミを通じ、「怒っている」というメッセージを送ったと考えるほうが自然やないか」

この記事は大筋正しいと思う。だが肝心な見方が欠けている。「安倍派解体のための政治資金パーティ収支裏金疑惑摘発がヤマ場を迎えた1月9~13日になぜ麻生は訪米したか」に触れていない。「麻生さんとの連携があったと思えてしょうがない」と書いているが、岸田と麻生との連携はワシントン、ニューヨークとの連携を意味する。民主党所属衆議院議員を務めた泉元市長にしても「永田町を支配する影の勢力」に言及するのはタブーなのか。彼のようなキャリアを持つ政治家にとって現代日本の政治構造を考えるうえで真っ先に触れるべきはワシントンであるはずだ。

だが以下の結論部は単刀直入である。

「麻生さんと岸田首相の間で、事前に話し合いがあったとしても不思議ではない。後見役の麻生さんを本気で怒らせたら、岸田さんは総理の座にいられなくなるかもしれん。内々の合意がなかったはずがない。」

 

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将来的に麻生派と合流すること。これが最大の狙いやと、私は思っている。  岸田派と麻生派は、いわば “双子” 。宮沢元首相のころまでは同じ宏池会で、後の「加藤の乱」(第二次森内閣打倒を目指して、加藤紘一氏らが起こした一連の運動)で割れるまでは一緒やった。  また、岸田派と茂木派は “いとこ” に近い。源流が吉田茂の自由党なのは一緒やけど、佐藤栄作、田中角栄の系譜を受け継ぐのが、今の茂木派。岸田政権は “双子” と “いとこ” に支えられている。  岸田派と麻生派はもともと “双子” だから、将来は合流しようと考えているとしてもおかしくない。

 

 

麻生が岸田に「派閥解散表明は寝耳に水」と抗議したふりをしたのは米要人と作成した「岸田政権継続シナリオ」の1つではなかろうか。各種調査をみると、暴言王麻生は多くの国民からもそっぽを向かれ最も嫌われている政治家である。「長い間いいように操られてきた目の上のたんこぶで老害となっている麻生太郎の切り捨てを決断した」と岸田を喝采するストーリーをネットメディアは盛んに掲載し始めた。これによって確実に内閣支持率は一定程度上がる。さらに3月中旬にヤマを迎える今春闘での実質賃上げ達成をPRし、4月の国賓待遇訪米、衆議院補欠選を乗り切り、6月には定額減税・給付金をばらまき、さらにサプライズの日朝首脳会談などで支持率が目に見えて向上すれば、9月の総裁選前に解散総選挙を実施、勝利を得て総裁再選を狙うことになる。

1月8日付日経新聞電子版は「自民党の麻生太郎副総裁は9〜13日の日程で米国を訪問する。…滞在中に政府要人や与野党の議員らとの面会も予定する。日米両政府は2024年春に岸田文雄首相の国賓待遇での訪米を調整している。米国側には政治資金問題を抱える岸田政権に不信感もある。麻生氏はこうした不安の払拭と首相訪米への地ならしを急ぐ。」と報じている。ポイントは「政府要人らと面会」して「岸田政権への不安を払拭する」である。日経が伝える「米側の岸田政権への不信感・不安を払拭する」とは2023年1月のワシントンでの日米首脳会談で打ち出された「日米同盟の現代化:安保協力の重層化」を具体化する形で日本をウクライナ復興支援、台湾有事態勢、中国、ロシア、北朝鮮封じ込めの先頭に立たせるための自民党政権の安定化であり、岸田政権の継続と読める。