安倍氏、早くも再々登板へフル稼働 退陣劇はトリック?

10月1日付の前掲記事で「安倍前首相、9月16日の退陣から3日後に靖国参拝。再々登板に向け瀬踏み」と書いた。一月後の10月19日には再び靖国神社に参拝する始末だ。11月に入ると地元山口県の支援者の前で、「薬がよく効いて、体調も非常に速いスピードで回復している」と体調の急速な改善をアピール。食欲も旺盛なようで、周囲に「気力がみなぎっている」と語るほどだという。やはり8月28日の退陣表明は来年9月の総裁選出馬に向けての煙幕だったようだ。米大統領選の結果次第では首相特使としてワシントンへ飛びかねない勢いである。

最も注目されるのは、出身派閥で党内最大の細田派(98人)に、2021年にも派閥会長就任含みで復帰する意向を周辺に示していることだ。辞意表明から1月後の9月28日の細田派パーティー出席を皮切りに、公の場で積極的に発言している。10月25日は自身が会長を務めていたが、第2次安倍政権発足後は休眠していた保守派派議員連盟「創生日本」の会合に参加した。=写真

翌26日には細田派幹部10人との夕食会に参加、27日には党内議連「日本の尊厳と国益を護る会」(代表・青山繁晴参院議員)の総会に出席して、男系による皇位継承を訴える同会を激励した。

地元山口では、憲法改正にどう取り組むかを問われ、「憲法の議論こそ国会議員が見識を示す機会だ。一層機運を高める努力をしたい」と悲願の改憲への執念を披歴して見せた。

早くも再々登板へ向けフル稼働状態だ。まるで14年前の第1次安倍政権発足前の極右ナショナリスト政治家・安倍晋三が復活したかのようである。