日本軍国主義は死なず

中国外務省の発表によると、中国の王毅外相兼共産党政治局員が20日、韓国を訪問し、魏聖洛国家安保室長と会談、「歴史を逆行させようとする日本の右翼勢力の言動を警戒すべきだ。日本の軍国主義復活を決して許さない」と述べた。

中国はこのところ、防衛力強化を進める高市早苗政権を「新型軍国主義」と非難し、各国との会談や国際会議などの場で繰り返し日本を批判している。中韓両国は小泉進次郎防衛相らが8月15日に靖国神社を参拝したことに激しく抗議しており、王氏が魏氏に日本への警戒感で同調を求めた形となった。

防衛費の倍増、事実上の先制攻撃容認=専守防衛の破棄、武器輸出の解禁など近年の自民党政権は戦後日本の原点というべき「平和国家の建設」の理念をかなぐり捨てている。駐日中国大使も務めた王毅外相が「日本軍国主義の復活」を訴えるのは、小泉純一郎政権以降、国粋主義者派閥清和会が自民党の主流となったことと関連しているのは間違いない。日本語も極めて堪能な王毅氏が駐日大使を務めた2004年から2007年は小泉政権から安倍晋三一次政権の時期であり、その戦前回帰志向は安倍内閣の「戦後レジュームからの脱却」ににじみ出た。

安倍の愛弟子を自認する高市早苗首相はかつて、第2次世界大戦は自衛のためだったと主張し、侵略や植民地支配の責任を否定する歴史認識を繰り返し表明してきた。当選1期目だった高市は1994年10月の衆院予算委員会で、当時の村山富市首相に 「勝手に(日本を)代表して謝ってもらっちゃ困る」と訴えた。村山氏が同年7月の所信表明演説で、日本のアジア諸国への侵略行為や植民地支配は耐えがたい苦しみや悲しみをもたらしたとして「深い反省の上に立つ」と述べたのに対し、高市は、「国民的議論のないまま侵略と認定した」と批判した。

 1995年3月の衆院外務委では、戦争の反省について「少なくとも私自身は当事者とは言えない世代だから、反省なんかしていないし、反省を求められるいわれもない」と驚くべき発言をしている。アジア諸国に「痛切な反省」と「心からのおわび」を表明した「村山談話」に対し、首相になったら「新たな歴史見解を発表して無効にする」と豪語した。ただ、2025年の自民党総裁就任以降は米国からの圧力で口をつぐんでいる。
本ブログは岸信介を源流とする自民党清和会について様々論じてきた。一言で表せば、戦後日本をハンドルしてきた米ウォール街にとって日本の国粋主義右翼は非常に利用価値のあるものだった。ただし不要になれば潰す。
差し当たりは、
高市にとって戦前明治体制こそ「我が国」なのだ。「その体制は正義なのである。皇国・神の国はアジアを解放しようとしたのだから、中韓をはじめアジア諸国に謝罪する必要はないし、反省なんか不要」なのである。このような国際的にまったく普遍性を有しない極めて偏狭な国家観の持ち主がまた一国の首相を務めている。
日本の軍国主義は決して死ななかった。天皇制軍制主義、皇国史観、靖国思想の残滓は社会の底にしっかり根付いていた。