「英国のEU離脱とグローバルブリテン 米英共同で『日本管理』へ」  ~前書

直近の掲載記事「繋がる米英の日本支配とウクライナ戦争 「反米原理主義」批判の批判 」で幕末開国期から英国が日本の植民地化を検討していたことに触れた。だが英国は資金的に割が合わないと考え、広大すぎるし敵対心をもった住人のもとでは安全に確保し持ちこたえられる欧州の軍人はいない」(初代駐日イギリス公使オールコック)と判断。維新後の日本帝国をロシアに対する防壁としてうまく使って行くことが英国の喫緊の課題となった。朝鮮進出、日清、日露戦争は英国の国益確保の代行ともなった。締結が日本の庶民を歓喜させた日英同盟(1902-1923)は日米関係の悪化で破棄され、日本は自滅の戦いへと突き進んだ。

1951年の日米安保条約締結は米英アングロサクソンにとっペリー来航以来実に100年かけての少なくとも軍事面での「日本植民地化」の達成であった。それから50年余りたつと中国が著しく台頭し、衰退の色濃い米国にとってアジア太平洋地域の安全保障政策は抜本的な補強が必須となった。その大きな柱の1つとしてEU離脱後に英国は「グローバルブリテン」を合言葉に最新鋭空母「エリザベスII」に英艦船として1956年以来スエズ運河を渡りインド太平洋に軍事進出、日本とも「準同盟国」となった。日本ではいまだにエスタブリッシュメント、庶民を問わず、米英アングロサクソンクラブ同盟仲間入りこそ一等国の証と受け取り、これを新日英同盟の復活と見なしがちだ。

英国のインド太平洋進出と日本との軍事連携をどうとらえるべきか。連載「近代日本第三期への視角」にこれまでの既存データをアップデートして、新規記事を近く掲載する。以下は2021年以降に掲載した関連論考の一部。参照いただければ幸いである。

 

関連記事

英国は日英同盟復活へと動く 中国包囲の裏に日本管理も | Press Activity 1995~ Yasuo Kaji(加治康男) (yasuoy.com)

英国、対中冷戦で大幅軍拡へ 米英・日の軍事連携進む | Press Activity 1995~ Yasuo Kaji(加治康男) (yasuoy.com)

「日本の右翼政権に軛かける」 新日英同盟と拡大NATO   | Press Activity 1995~ Yasuo Kaji(加治康男) (yasuoy.com)

「安倍氏、英にクアッド参加促す」 操られる日本  | Press Activity 1995~ Yasuo Kaji(加治康男) (yasuoy.com)

日本を「対等同盟国」と持ち上げる下心 新アーミテージ報告書  | Press Activity 1995~ Yasuo Kaji(加治康男) (yasuoy.com)

「中国封じ」でNATO拡大 仏、独軍もインド太平洋へ | Press Activity 1995~ Yasuo Kaji(加治康男) (yasuoy.com)

脱亜入欧の末路:米英に「同盟国の長」と煽てられ、アジアで孤立 近代日本考・補 | Press Activity 1995~ Yasuo Kaji(加治康男) (yasuoy.com)